こんにちは、キャリアアドバイザーのドフラです。

この疑問にお答えします。
結論からいうと、転職エージェントを利用する前に、転職エージェントの裏事情は知っておくべきです。
その理由は、転職エージェントの裏事情を知らないと、自分に合った転職先を選べなくなるからです。
これはどういうことか?
転職エージェントの裏事情をまとめたものがこちらです。
- キャリアアドバイザーには営業ノルマがある
- 内定承諾が無理やりでしつこい理由はノルマ達成のため
- 紹介料は求職者の年収の20~35%に設定されている
- 3ヵ月以内に転職できない人は後回しにされる
- スペックが低いのに希望条件が多い求職者は放置される
記事を書いている僕は26歳まで、年収200万円のフリーターでした。その後、転職して正社員になり、年収500万円を稼げるようになりました。
現在はキャリアアドバイザーとして、20代向けに転職サポートをしています。
僕は実際に転職エージェントでキャリアアドバイザーをやっていますので、リアルな内容を伝えられると思います。3分で読める内容なので、それではいきましょう。
この記事の目次
転職エージェントの裏事情をキャリアアドバイザーが暴露します!

転職エージェントの裏事情を知るためには、転職エージェントのビジネスモデルやキャリアアドバイザーに課せられているノルマについて、知っておく必要があります。
転職エージェントのキャリアアドバイザーは、会社から営業ノルマを課せられています。
そのため多くのキャリアアドバイザーは、基本的に「内定率が高くて、紹介料が高い求人」に応募してほしいと考えます。
「内定率が高い=誰でも受かる求人」ということで、「紹介料が高い=なかなか人が集まらない求人」ということになります。
僕の経験からいうと、誰でも受かる求人の多くは離職率が高いです。新入社員が定着しないから、常に大量の人員を募集している印象ですね。
さらに、紹介料が高いということは、それだけ採用するのが困難な求人ということになります。仕事がハード過ぎて応募者が全然集まらないような求人ですね。
ですから、転職エージェントの裏事情を知らない求職者は、キャリアアドバイザーの思惑どおりの求人に応募してしまい、自分に会う転職先を選べなくなってしまいます。
転職エージェントのビジネスモデルを徹底解説
ここでは、そもそも転職エージェントのビジネスモデルが、どのように成り立っているのかを解説していきます。
なぜ求職者が、転職エージェントを無料で利用できるのか?
それは、企業からの紹介料で、ビジネスが成り立っているからです。
求職者が転職エージェント経由で企業に入社すると、入社後に企業から紹介料という形で、転職エージェントにお金が入ってくるようになっています。
つまり、求職者が企業に入社しないと、転職エージェントは1円も儲からないということです。
ですから、転職エージェントに所属するキャリアアドバイザーには、営業ノルマが課せられています。
キャリアアドバイザーには営業ノルマがある

キャリアアドバイザーには、毎月100万円〜200万円という売上目標があるので、その目標を達成するために必要な入社決定数を追いかけているということになります。
キャリアアドバイザーには、求職者の相談に乗るというカウンセラーの役割と営業ノルマを達成させるという営業職の役割があるのです。
営業ノルマは転職エージェントの会社にもよりますが、毎月100〜200万円の売上目標であれば、毎月2〜4名ほどの求職者を入社させなければいけません。
毎月の入社決定数の目標を達成させるために、「内定率が高くて紹介料の高い求人を優先的に紹介しよう」と思うのは自然ですよね。
ですから、キャリアアドバイザーが紹介してくれる求人には、魅力的だけど選考基準が高い求人と魅力はないけど内定しやすい求人があるはずです。
これを理解した上で転職エージェントを利用しないと、キャリアアドバイザーに流されるがまま、意図しない転職先を選んでしまうことになります。
内定承諾が無理やりでしつこい理由はノルマ達成のため
転職エージェントを利用した求職者の口コミを見ていると、「内定承諾が無理やりだった」「内定辞退に対してしつこく説得された」というのが目立ちます。
これは、まさにキャリアアドバイザーの営業ノルマを達成させるための行動ですね。
僕のところに相談にきた求職者の中には、キャリアアドバイザーに内定承諾を迫られて断れず、結局本当はやりたくない仕事に転職することになってしまった方がいました。
ですから、内定承諾を無理やり取ろうとしてきたり、内定辞退をしつこく止めてきたりするキャリアアドバイザーに出会ったら、その背景にノルマ達成があることを思い出してください。
内定承諾が無理やりでしつこい理由は、求職者のためではなく、キャリアアドバイザー本人のためであることが多いです。
紹介料は求職者の年収の20~35%に設定されている
企業からの紹介料は、いくらで設定されているのでしょうか?
転職エージェント経由で求職者が企業に入社すると、だいたい年収の20〜35%が紹介料として支払われることが多いです。
年収300万円の人なら紹介料は60〜100万円くらい、年収500万円の人なら紹介料は100〜180万円くらいですね。
20代で未経験者の転職の場合だと、だいたい初年度の年収は300〜350万円になるので、紹介料は80万円前後が相場です。
キャリアアドバイザーの立場からいうと、求職者には、できるだけ年収が高い転職先を選んでほしいと考えます。
なぜなら、その方が紹介料が高くなりますからね。
ですから、単純に年収だけで転職先を選ぶのではなく、仕事内容や将来性、自分に合っているのかなどを総合的に分析して、紹介された求人の中から応募企業を選ぶべきです。
3ヵ月以内に転職できない人は後回しにされる

転職エージェントに登録しても、キャリアアドバイザーから対応を後回しにされる求職者がいます。
それは、転職希望時期が3ヶ月以内じゃない人です。
つまり、転職時期があまりに先過ぎる人は、紹介料が入ってくるまでに時間がかかり過ぎるので、毎月の数字を追っているキャリアアドバイザーからすると、優先順位がだいぶ低くなります。
最低でも3ヶ月以内に転職する気がないと、キャリアアドバイザーは本気で転職サポートしてくれません。
実際に中途採用をしている企業側は、すぐに入社してくれる人がほしいと考えています。
企業が中途採用をする理由は「欠員のための補充」や「事業拡大のための増員」など、緊急性の高い場合が多いです。
新卒採用のように、半年先や1年先など、悠長なことは言ってられないのです。
スペックが低いのに希望条件が多い求職者は放置される
転職エージェントのビジネスモデルは、求職者が入社しないと収益が生まれない構造になっています。
つまり、転職エージェントにとって「求職者=企業に販売するための商品」という位置付けになるのです。
ですから、企業に採用される求職者じゃないと商品価値が低いと判断され、手厚い転職サポートを受けることはできません。
求職者の中には、自分のスペックの低さを無視して、好き勝手な希望条件ばかりを主張する人がいますが、このような求職者は放置されます。
スペックが低いという時点で選べる求人数は限られます。
それなのに「土日休み」「完全週休2日制」「駅から徒歩圏内」「通勤時間20分以内」「年収400万円以上」「残業なし」「福利厚生が充実」「資格取得支援制度がある」「人間関係のストレスがない」など、多くの希望条件を主張されると、キャリアアドバイザーとしては紹介できる求人がないのでサポートしようがないのです。
「手間ばかりかかって入社決定の見込みの低い求職者に時間をかけるより、入社決定の見込みの高い求職者に時間をかけたい」とキャリアアドバイザーが思うのは、当たり前ですよね。
転職エージェントはボランティアではなく、あくまでもビジネスです。転職エージェントを利用するときは、今回の内容を理解した上で登録するようにしてくださいね。
転職エージェントの裏事情【まとめ】
最後に、転職エージェントの裏事情をまとめておきます。
- キャリアアドバイザーには営業ノルマがある
- 内定承諾が無理やりでしつこい理由はノルマ達成のため
- 紹介料は求職者の年収の20~35%に設定されている
- 3ヵ月以内に転職できない人は後回しにされる
- スペックが低いのに希望条件が多い求職者は放置される
転職エージェントはビジネスなので「収益を出す」という目的は果たさなければいけません。そうしないと事業を継続できませんからね。
キャリアアドバイザーは営業ノルマを達成したい、企業はいい人材を獲得したい、求職者は自分に合った仕事に就職したい。この三者のメリットが合致した状態でビジネスが成立するのがベストです。
しかし、バランスが崩れると誰かが損をすることになります。
僕はキャリアアドバイザーの仕事をしていますので、求職者が転職エージェントを利用するメリットはたくさんあると思っています。
ただし、求職者の方は転職エージェントの裏事情を知った上で、転職エージェントを利用してくださいね。
僕は「求職者=転職エージェント=企業」が、それぞれ対等な立場であることが重要だと思います。