
大した能力もないのに、自己評価がやけに高い人って職場に必ずいますよね。
職場環境でうまく立ちまわるときや、人材を採用するときには、こういう人たちに惑わされないようにしないといけません。

記事を書いている僕は26歳まで年収190万円の倉庫作業員(フリーター)でした。その後、IT業界に転職して年収500万円になり人生が変わりました。現在は20代向けに転職や人生に役立つ情報を発信しています。
かつての僕は自己評価が高すぎて、倉庫作業員から転職するときに、面接した会社の採用担当者にめちゃくちゃ怒られた経験があります。
『それで転職できると思ってるの?』『今日君は何しに来たの?』と言われるほど、ダメダメでした…。
さすがに落ち込んで、心を入れ直した結果、IT企業から内定をもらうことができました。
この経験で僕が感じたのは、優秀な人ほど自己評価が低くて、学ぶ意欲が高いということです。
ということで、今回は『能力が低い人ほど自己評価が高い理由』についてお話していきたいと思います。
※『今すぐ自分に合う仕事が知りたい!』という方は、以下の記事を読むほうが早いかもです。
目次
能力が低い人ほど自己評価が高い理由

能力が低い人ほど自己評価が高いというのは、1999年にアメリカのコーネル大学のデイヴィッド・ダニングとジャスティン・クルーガーという人によって定義されており、このときの論文がイグノーベル賞の心理学賞を受賞しています。
また、2012年に彼ら二人が行った「なぜ能力の低い人間は自身を素晴らしいと思い込むのか」という調査結果によると、能力の低い人間には次の特徴があることがわかったようです。
自分の能力が不足していることを認識できない、自分の能力の不十分さの程度を認識できない、他人の能力を正確に推定できない、その能力について実際に訓練を積んだ後であれば、自分の能力の欠如を認識できる、というものです。
かつての僕もまさにこんな感じで、自分の能力が不足していることに気がついていませんでした。
僕は何もできないくせに、面接で『自分にはすごい能力がある』的な発言をしてしまっていたので、そりゃあ面接官も怒りたくなりますよね。
今振り返ると、かなり恥ずかしい過去です…。
能力が低い人は2段階上の自己評価をする
デイヴィッド・ダニングとジャスティン・クルーガーが行った実験の一つに「一定数の人を集めて、その人たちを実力ごとに4つのグループに分ける」というものがありました。
4つのグループはそれぞれ、実力が75〜100の人たちをAグループ、実力が50〜75の人たちをBグループ、実力が25〜50の人たちをCグループ、実力が0〜25の人たちをDグループに分けられました。
この中の底辺グループであるDグループの人たちに対して「自分の実力数値はどれくらいだと思いますか?」というアンケートを行いました。
その結果、Dグループの人たちは自分たちのことを58〜68の実力がある思っているということがわかりました。
Dグループの人たちの本来の実力は平均で12.5しかありませんが、彼らは自分のことをBランクの実力があると思っているのです。これは面白い調査結果です。
能力の低い人たちは自分のことを2段階上の実力があると思い込んでいる、ということです。
今ならわかりますが、まさに僕はこのDグループの人たちと同じ考えでした。
あのまま考えが変わらなかったら、今もまだ底辺労働者だったと思います…。
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自己評価が高すぎる人には要注意

これは新入社員にも当てはまる場合があるので、人材を採用するときには注意が必要です。
新入社員は仕事のことが何もわかりません。
新人を教える側の先輩社員は、小学生に教えるくらい丁寧に教えてあげないと新人は理解できません。
それなのに、自己評価が高い人たちは自分の能力が低いことを知らないので、先輩社員に対して、そんなことは教えられなくてもできると勘違いして、バカにした態度を取ってしまうことがあります。
これは、自分のことを何でもできるスーパースターだと思ってしまっているのです。
能力が低くて自己評価の高い人は「自分が知らないことを知らない」のです。
これは、社会人になるまでの間で、本当の意味での競争をしたことがないのが原因です。
自分より強い競合に出会ってこなかったがために、自分が最強だと思い込んでしまっているのです。
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その人の自己評価だけでは本質は見えない
こういう人たちは、面接時に自信たっぷりの表情で大口を叩きます。
「自分はこれができる」「今まで自分はこれをやってきた」「自分はこんな成果を出してきた」という内容です。
面接時の彼らの言動だけをみると、ものすごい人材のように感じるのですが、入社したらポンコツだったという採用の失敗事例は数多くあります。
知らないからこそ大きく出れることもあるので、新しいことに挑戦するときの勢いとしては大切かもしれませんが、自己評価が高いということは、その分プライドも高いということです。
採用時にはそういった人物を会社が管理しきれるかどうか、プライドが折れてしまった時のフォロー体制は整っているかどうかを加味しなければいけません。
こういう人たちは、心が折れるとダメになってしまうケースも多いのです。
また、あなたが起業して事業のパートナーを選ぶときも、その人が本当に能力がある人なのかどうかを見極める力は大切です。
能力が低い人は自己評価が高いので「自分だったらこれくらいのことができる」と、大きいことを言ってくれますが、行動していないことが大半です。
逆に、行動しまくっているけど、物凄く謙虚な人はとても信用できます。
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勘違い中堅社員も自己評価が高い

自己評価が高すぎるのは、何も新入社員だけではありません。
中堅社員たちの中にも、自己評価の高い勘違い社員が多数存在します。
入社して数年経つと、仕事の要領がわかってきて、会社での作業に慣れてきます。
作業時間が短くなって、後輩に教えるようになって、ある程度会社からも評価されるようになります。
そうすると、中堅社員は勘違いしてしまうのです。「俺ってめちゃめちゃ仕事できる人間なんじゃないか?」と。
残念ながら、これは大きな勘違いです。彼らは仕事ができるようになったわけではなく、会社の作業に慣れてきただけなのです。
自己評価が高い人は学ぼうとしない
ここで問題なのは、自分は仕事ができると思っている人たちは、それ以上のことを学ぼうとしないことです。
自分が会社の頂点だと思ってしまっているので、もうこれ以上自分には学ぶことがないと勘違いしているのです。
当然、本も読みませんし、自分より圧倒的に仕事ができる人が大勢いるのに、そこから何も学ぼうとしません、向上心が欠如してしまっているのです。
一昔前の日本であれば、このような中堅社員たちも定年まで会社が面倒をみてくれたので、何とかサラリーマン時代を乗りきることができました。
でも、これからは違います。
大手上場企業が相次いで、45歳以上の従業員に対して早期希望退職者を募り、経団連やトヨタが「終身雇用は崩壊した」という発言をしています。
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自己評価が高いままでは時代を乗り越えられない
現在、20代30代の我々世代は年金支給開始も80歳以上になるかもしれません。
つまり、生涯働き続けなければいけなくなる可能性が高いのです。
昔の中堅社員のように会社の作業だけしていると、突然リストラされることだってあるのです。
自分の能力を高めて、常に学んでいなければ、これからの時代を乗りきることはできません。
だから、自分のことを過信してはいけません。
「自分はプライドが高いな」「自己評価がちょっと高すぎるかもしれないな」と思った方は、能力が低い人ほど自己評価が高いということを心に刻んで、これからは自分の能力を高められるように時間を使ってください。
起業するのもいいですし、スキルアップを目指して転職するのもいいですね。

まとめ
この記事のまとめです。
- 能力が低い人ほど自己評価が高い
- 能力が低い人は2段階上の自己評価をする
- 自己評価が高すぎる人には要注意
- その人の自己評価だけでは本質は見えない
- 勘違い中堅社員も自己評価が高い
- 自己評価が高い人は学ぼうとしない
- 自己評価が高いままでは時代を乗り越えられない
自己評価の高い人を見つけたら、この人は能力が低いのだなと思い、距離をとるのが賢明です。
ただし、これは自分自身にも当てはまることなので、自分が自慢話をしていないか?、相手のマウントをとるような話し方をしていないか?を常にチェックしておきましょう。
周りに対して謙虚な姿勢でいる方が、人生得することが多いです。
僕は経営者相手に仕事をしてきた経験があるので、これまでに年収200万円未満の人から年収数千万円の人まで話をしたことがありますが、高収入な人ほど謙虚でした。
年収が高いから謙虚になるのか、謙虚だから年収が高くなるのかはわかりませんが、謙虚でいることが人生にプラスになるのは確かですね。
自分は能力が低いかもしれない…と思った方は、今日というより今から行動してみましょう。

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