「なぜ介護職の給料はこんなに低いのか…」

このような疑問を持っている方に向けての記事です。

結論からいうと、介護職に分配されるはずのお金が、人材紹介会社に流出してしまっているからです。

介護職の賃金は、介護保険に応じた介護報酬の売上を、介護事業所が介護職に分配する仕組みになっています。

しかし、介護事業所の人手不足と求人の集客難によって、介護職に売上が分配される前の段階で、介護事業所は人材紹介会社に紹介料を払って人材を確保しなければいけないので、介護職に十分な給料を分配できないのです。

今回はこの部分について話していきたいと思います。3分ぐらいで読み終わるので、それではいきましょう。

スポンサーリンク

介護がなぜ低賃金のままなのか?【原因は人材紹介会社】

介護現場は、行政、地域、高齢者、介護職員、家族など、あらゆる面で問題が山積みの現場です。

その中でも、特に深刻な問題が「介護職員の人手不足」です。

介護がなぜ低賃金?

求職者には、介護職の仕事は人気がありません。

人気がない理由のひとつは「低賃金だから」です。

僕は、20代に対して転職支援をおこなっていますが、介護職は「土日休みじゃない」「夜勤がある」「ブラック労働のイメージ」によって、未経験の人には人気がありません。

それに加えて、低賃金ですから、求人の応募者を獲得するのは、かなり難しい問題です。

介護事業所の現場は「限界までお金をつかわずに、サービスの質を上げる」という、労働者にとって矛盾した環境になっています。

人材不足の問題を解決するために、高齢者に自立を促してサービス量を減らす「自立介護支援」を実施したり、介護職員のマインドコントロールをしてブラック労働をさせたりするなど、なかなかハードな職場もあるようです。

「賃金が低い」→「人が集まらない」→「少人数でサービスをまわさないといけない」→「ブラック労働になる」→「退職者が増える」→「人は補充できない」→「さらにブラック労働になる」という悪循環になり、廃業に追い込まれる施設も増えています。

介護事業所の報酬は人材紹介会社に流出する

介護事業所の人手不足の原因にもなっている「介護職の低賃金」は、なぜ改善できないのでしょうか?

介護報酬の処遇改善加算や、介護業同士の人材獲得競争によって、賃金は多少上昇していますが、介護職はほかの職種に比べて、圧倒的に低賃金です。

介護がなぜ低賃金?

これは、介護事業者をとりまく一部の周辺事業者が、本来なら事業所に入るはずの介護報酬に群がっているため、介護職にお金がまわらないという事態になっているからです。

周辺事業者とは、人材紹介会社、求人広告会社、コンサルティング会社、フランチャイズ本部などの、介護保険事業所をクライアントにする業者のことです。

介護職の賃金は、介護保険の介護報酬が原資となっており、本来なら介護職員に分配されるべき報酬が、このような周辺業者に流れてしまっていることが、介護職が低賃金になっている大きな理由です。

周辺業者の中でも、特に一部の「人材紹介会社」にお金が流出しているのが、深刻な問題となっています。

介護職の求人は人気がないので、求人媒体を使っても、なかなか人材を集客することができません。

そのため、介護事業所は、人材紹介会社を使わざるを得ません。

介護職の紹介料は、1人あたり50~90万円ほどになるので、1人採用するごとに、このお金が人材紹介会社に流出することになります。

人材紹介会社のビジネスモデルは、人材紹介会社経由で企業に人材を入社させると、企業から紹介料をもらうというものです。

多くの場合、入社後6ヶ月以内に自主退職したら、紹介料の何%を返却するというペナルティーがつけられています。

ですから、悪徳な人材紹介会社だと、6ヶ月は人材を何とか辞めさせないようにして、6ヶ月後には、その人材に対して、別の新しい転職先の案内をするという会社もあるようです。

介護事業所側からすると、半年ごとに50~90万円を支払わされることになり、これが人数分になるわけですから、人材獲得費用の合計はかなり高額になってしまいます。

ここにお金が流れるほど、介護職に分配される賃金は、少なくなってしまうということですね。

介護保険は、40歳以上が毎月支払う介護保険料と、国・都道府県・市区町村の公費でまかなわれています。

その介護保険に応じた介護報酬の売上を、事業所が介護職に分配する仕組みになっています。

しかし、人材紹介会社によって、介護職に分配される前に、事業所の手元からお金がなくなっているのです。

この負の連鎖が、介護事業所を苦しめて、介護職の低賃金を引き起こしているということですね。

介護業は全産業と比べても低賃金

厚生労働省の統計によると、福祉施設の介護員の月給は、2014年の全国平均が常勤で21万9700円、訪問介護員(ホームヘルパー)が22万700円となっています。

全国産業平均が30万4,000円なので、これと比較すると、約8万円も給料が低いということになります。

介護がなぜ低賃金?

ちなみに、介護事業所の経費の大半は人件費となっており、施設介護では介護報酬の6~7割が人件費、訪問介護では9割が人件費といわれています。

運営する施設の福祉用品を一括購入して安く調達したり、効率的な施設の運営をしたりして、従業員の給料を高くできるように取り組む事業所もあります。

しかしながら、やはり人材紹介会社への報酬の流出が抑えられないことには、介護職の低賃金を脱出させられないのです。

日本介護クラフトユニオンが行った「介護職に対する賃金満足度」のアンケートによると、賃金に不満があると答えたのは69.1%になります。

介護職の7割が給料に不満を持っており、その理由は「社会的な平均賃金より安いから」となっています。

各介護事業所に支払われる介護報酬は、公定価格なので上限が決まっています。

それなのに、人材獲得費用をはじめ、支出は増える一方という悪循環になっているということですね。

介護職の仕事は「やりがいがあって、社会奉仕性の高い素晴らしい仕事」ということで、働きがいを理由に、介護業界を選ぶ人が多いです。

しかしながら、現実的に生活していけるかどうかを考えると、どうしても収入の低さがネックになってしまっているのですね。

介護職の低賃金の問題を解決するためには、介護報酬をいかに流出させないかが、めちゃくちゃ重要だということです。

介護職が低賃金なのは、いまの日本社会の構造上、すぐには変えることができなさそうです

これを踏まえて、あなたはどのようなキャリアを選びますか?

スポンサーリンク