「大卒でアパレルに就職するのはもったいないのかな?」
この疑問にお答えします。
ファッションが好きな大学生なら、一度はアパレル企業への就職を考えますよね?
でも、アパレル業界は給料が安いとか、市場価値が低いとか、いろいろな情報が出まわっているので、アパレルに就職するべきかを迷っている大学生は多いと思います。
結論からいうと、あなたが今後、どのようなキャリア設計をしたいかによります。
客観的に就職市場を分析すると、新卒で就職先を選べるチャンスは人生で一度しかないので、将来的に大手企業で働きたいと思っているなら、大卒でアパレル就職を選ぶのはもったいないといえます。
記事を書いている僕は25歳でアパレル企業を退職→26歳まで年収190万円のフリーターでした。その後、IT業界に転職して年収500万円になり人生が変わりました。現在は20代向けに転職や副業に役立つ情報を発信しています。
この記事では、元アパレル社員の僕の実体験をもとに『大卒でアパレル就職はもったいない理由』について解説しています。
この記事を読めば、『大卒でアパレル就職を選ぶべきか?』が判断できます。
それでは、さっそく見ていきましょう〜。
目次
大卒でアパレル就職はもったいない?新卒入社した僕がマジレスします
「大卒でアパレル就職するのはどうなんだろう?」
服が好きな大学生の多くが、アパレル企業への就職に興味を持っています。
でもせっかく大学を卒業したのに、アパレル業界に就職するのはもったいないんじゃないか…って思いますよね?
僕は大学卒業後に、新卒でアパレル企業に入社した経験がありますが、どうしてもアパレル業界で働いてみたいと思うなら、一度アパレル業界を経験しておくのがおすすめです。
たしかに、大卒でアパレル就職を選ぶのは、学費などのコスパを考えるともったいないです。
しかし、アパレル業界への未練を抱きつつ、他の業界に就職してしまうと、20代後半でアパレル業界に転職しようとするかもしれません。
大学新卒でアパレル業界に就職するよりも、20代後半でアパレル業界に就職する方がデメリットが多いです。
なぜなら20代後半での転職は、未経験から異業種に転職できる最後のチャンスだからです。
ぶっちゃけ、20代後半でアパレル業界のキャリアをスタートさせても、人材の市場価値が全然上がりません。
未経験転職の最後のチャンスを、アパレルへの転職で使ってしまうのは、非常にもったいないことなのです。
長期的なキャリアを考えるなら、「20代前半でアパレル就職→20代半ばで異業種へ転職→30代で専門性を極めていく」という流れがおすすめです。
大卒のアパレル就職がもったいないといわれる1番の理由は「給料」です
「大卒でアパレル就職するのはもったいない」と言われる最大の理由は、稼げる給料が少ないからです。
大学の学費とアパレルの給料からコスパを考えると、費用対効果は悪いです。
大卒でアパレル就職を選ぶことが、どれくらいコスパが悪いかを「DODAの業種別の平均年収」を参考にみていきましょう。
DODAによると、20代の業種別の平均年収は次のとおりです。
- 金融:372万円
- メーカー:372万円
- IT/通信:370万円
- 建設/プラント/不動産:367万円
- 総合商社:367万円
- インターネット/広告/メディア:352万円
- 専門商社:347万円
- メディカル:346万円
- サービス:326万円
- 小売/外食:308万円
アパレル業界は「小売業」に分類されるので、平均年収は1番低いですね。
ただし、アパレル業界で働くと言っても、アパレル企業にはさまざまな職種があります。
商品企画、営業、販売職、デザイナー、事務職などですね。
DODAのデータをもとに、職種別に平均年収を比較すると、次のようになります。
- 企画/管理系:395万円
- 営業系:378万円
- クリエイティブ系:320万円
- 事務/アシスタント系:303万円
- 販売/サービス系:298万円
業種別と職種別の平均年収を確認した結果、アパレル業界で最も給料が安いのは、「小売をメイン事業とするアパレル企業の販売職」ということになります。
アパレル業界は従業員の給料が低い業界なので、給料を稼ぐことが最優先の人は、アパレルに就職するべきではありません。
※アパレル業界の給料のリアルが知りたい方は、以下の記事をチェックしてみてくださいね。
【体験談】アパレルの本社勤務3年目で年収280万円だった
僕はアパレル業界で3年働いた経験があり、職種は本社での「商品企画(マーチャンダイザー)」でした。
先ほど紹介した、DODA発表の「職種別の平均年収」によると、企画職はアパレル企業の中でも収入が高めの職種です。
たしかにアパレルの職種の中では、商品企画は収入が高めなのかもしれませんが、僕が勤めていた某アパレル企業では「入社3年目で年収280万円」でした。
当時の僕は、年収280万円が低いのかわかりませんでしたが、アパレル業界から離れてみると、それがいかに低収入なのかがわかります。
僕は25歳のときにアパレル企業を退職して、その後、IT業界の営業職に転職しましたが、20代で年収500万円稼げるようになりました。
アパレル時代と比べると、220万円の年収アップです。
僕の経験からもわかるように、どの業界で働くかによって、稼げる年収は大きく違ってくるのです。
大卒の新卒カードは一生に一度しか使えないので慎重に就職先を決めよう
大卒でアパレル就職がもったいないと言われる理由に、大卒の新卒カードが人生で一度しか使えないから、というのがあります。
日本の多くの企業が、毎年大卒の新卒社員を大量に採用します。
大学の新卒のタイミングでは、本人にどのような仕事能力があるかどうかは関係なく、大学を卒業した新卒社員というだけで、大手企業に入社できるチャンスがあるのです。
新卒採用をしている会社に、中途採用枠で挑戦しようとしても、選考のハードルが高すぎてほとんど受かりません。
それほど大手企業の中途採用枠は、狭き門なのです。
それが新卒というだけで、多くの20代に入社できるチャンスがあるのです。
「大手上場企業に就職したい」
「待遇や福利厚生の手厚い環境で働きたい」
「ホワイト企業で安定的に働きたい」
このような方は、大卒の新卒カードを慎重に使うべきです。
大卒の新卒でしか入社できない会社を見つけて、就活を必死で頑張って、なんとか内定獲得を目指しましょう。
【体験談】アパレル時代の同期の9割が20代で異業種に転職した
僕は大学を卒業してから、新卒で某アパレル企業に入社し、商品企画として3年間働きました。
僕と同じタイミングで入社した、新卒の同期は15名いましたが、同期の13名が20代で異業種に転職しました。
15名中13名が辞めたので、離職率は86%です。
ちなみに辞めなかった2名は、1名がショップ店長の女性、もう1名が事務職の女性です。
ぶっちゃけ事務職はアパレル感があまりないので、本質的には残ったのは1名ですね。1名だと離職率は93%です。
さらに驚くことは、これは僕の同期が特別だったわけではなく、先輩の世代や後輩の世代でも、同じくらいの離職率だったことです。
そのため会社の中には、28歳~39歳の社員がほとんどいませんでした。
20代でほとんどの社員が辞めていくので、20代前半の若手世代と40代以降の中堅世代の間の世代が、ごっそりと抜けていたのです。
僕の同期の男性社員は、僕を含めて合計5名いましたが、全員が『異業種の営業職』に転職していきました。
僕はIT業界の営業職に転職し、ほかの4名は美容ディーラーの営業職、商社の営業職、建築業界の営業職、新聞販売店の営業(経営者)に転職しました。
ちなみに転職した全員が、アパレル時代よりも年収がアップしています。
大卒でアパレル就職はもったいないと言われますが、「どうしてもアパレルの仕事をやってみたい!」という方は、新卒でアパレルに就職してもいいと思います。
ただし、アパレルに就職した後のキャリアプランは、事前にしっかりとイメージしておいたほうがいいです。
たとえば、将来的にアパレルの給料やキャリアアップに限界を感じるタイミングが来るかもしれません。
そうなったときに備えて、『アパレルから転職するなら25歳前後が理想』ということだけ、頭の片隅に入れておくのが良いかと思います。
まとめ:大卒でアパレル就職はもったいないかを判断するのは他人ではない
この記事のまとめです。
- 大卒でアパレル就職はもったいないといわれる最大の理由は給料
- アパレルの本社勤務3年目でも年収280万円しかなかった
- アパレル時代の同期の9割が20代で異業種に転職していった
- 大卒の新卒カードは一生に一度しか使えないから慎重に就職先を決めよう
- 大卒でアパレル就職するなら『20代前半でアパレル就職→25歳前後で異業種へ転職→30代で専門性を極めていく』という流れでキャリア形成するのがおすすめ
今回は「大卒でアパレル就職はもったいない理由」について解説しました。
僕はアパレルの仕事自体は素晴らしいと思ってしますし、自分自身がアパレル就職を経験して本当に良かったと思っています。
大学新卒でアパレルに入社したおかげで、20代前半のうちにコミュニケーションスキルを身に付けることができました。
また僕の上司はめちゃくちゃ厳しい人だったので、そのおかげで基礎的なビジネスマナーも叩き込んでもらえました。これはラッキーでした。
世間的には「大卒でアパレル就職するのはもったいない」と言われますが、最終的にそれがもったいないかどうかを決めるのは、あなたの判断です。
あなた自身が、どのような人生にしたいのかを明確にして、その上で入社する会社を選びましょう。
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