
この記事では、「フリーター歴が長くなってきて、このまま正社員になれないんじゃないか…」と感じている方に向けて、リアルな体験談をお届けします。

記事を書いている僕は26歳まで年収190万円の倉庫作業員(フリーター)でした。その後、IT業界に転職して年収500万円になり人生が変わりました。現在は20代向けに転職や副業に役立つ情報を発信しています。
今回インタビューしたのは、体育系の専門学校に在学中はスーパーでアルバイトをこなし、卒業後は工場の期間工として4年間勤務した、谷川千尋さん(25歳男性・仮名)です。
職場環境が原因で体調を崩して離職し、療養しながら就職活動に踏み出した男性のリアルなストーリーをお届けします。
3分で読める内容ですので、それではいきましょう〜。
※「今すぐにフリーターから就職したい!」という方は、以下の記事を読む方が早いかもです。
目次
期間工での4年間—何を積み上げ、何が限界だったのか
谷川さんが働いていたのは、自動車部品を手がける製造関連の会社でした。
親の知人を通じた紹介で入社し、もともとは正社員を目指すつもりで働き始めます。
クリーンルームの中で精密部品を組み立てる仕事で、最初の頃は「新鮮で楽しかった」と話してくれました。
しかし、時間が経つにつれて職場の状況が変化していきます。
当初はほとんどなかった残業が、毎日3〜4時間に増えていった。
休日出勤は前日や2日前に急に告げられるようになり、「人の扱いが雑になっていった」と谷川さんは振り返ります。
さらに追い打ちをかけたのが、人間関係のストレスでした。
一部のスタッフから期間工を見下すような態度が続き、職場の居心地が日に日に悪くなっていった。
休憩中も居場所がなく、管理職も状況を改善できない職場環境…。
部署が変わっても似たような状況は続き、谷川さんは入社4年目に体調を崩して離職することになりました。
「職場の人間関係が、全部の原因でした。」
その一言に、4年間の重みが詰まっていました。
楽しかった仕事が、なぜ続けられなくなったのか
谷川さんに工場での仕事について尋ねると、意外にも最初はこんな言葉が返ってきました。
「組み立てが新鮮で、本当に楽しかった。人の役に立っているという実感があって、時間にも気持ちにも余裕があった。」
精密部品の組み立てという仕事に、谷川さんは自分なりのこだわりを持って向き合っていました。
ライン上で誰よりも速く動けるよう改善を繰り返し、人と目を合わせて話すことを意識し、チームの中でのコミュニケーションを大切にしていたといいます。
それだけ仕事に向き合っていたからこそ、環境が崩れたときの傷が深くなったのかもしれません。
努力が報われない状況が積み重なり、やる気を持って入った職場でやる気を削られ続けた——そういう時間が、じわじわと体と心に影響を及ぼしていきました。
「ラインが止まることが多い、管理体制が機能していない職場だった」という言葉も印象的でした。
いくら個人が頑張っても、職場の仕組みそのものに問題があれば、努力は空回りしてしまう。
谷川さんが経験したのは、そういう環境だったのだと思います。
野球一筋だった少年が、製造現場に立つまで
谷川さんのキャリアの原点を辿ると、野球というキーワードが繰り返し登場します。
小学1年生から始めた野球を、中学・高校・専門学校と長年続けてきました。
高校では事情があって退学を経験しましたが、その後も諦めずに体育系の専門学校へ進学し、再びグラウンドに立ちました。
専門学校在学中はスーパーで品出しのアルバイトをしながら学び、卒業後は工場の期間工へ。
製造ラインでの仕事を4年間続けましたが、職場環境が原因で体調を崩し離職。
現在は療養を経て、就職活動に向けて動き始めています。
今も趣味としてバッティングセンターやトレーニングを欠かさず続けており、体を動かすことが生活の軸になっています。
工場のラインで「誰よりも速くなろう」と改善を繰り返したのも、競技者として目標に向かって積み上げてきた経験が根っこにあるからでしょう。
スポーツで培った「目標を決めたら試行錯誤を繰り返す」という習慣は、どんな仕事にも応用できる姿勢です。
療養しながら、就職を考え始めたきっかけ
体調を崩して離職した後、谷川さんはしばらく療養しながら生活していました。
療養中にハローワークを通じて求人を探してみたものの、「興味が持てる求人が見当たらない」という状態が続きました。
「資格がなくても挑戦できる仕事があるなら、やってみたいと思って。」
その気持ちが、転職エージェントに相談しようと踏み出したきっかけでした。
一人でパソコン画面と向き合って求人を探し続けると、どうしても視野が狭くなります。
少し興味が持てないと感じたらすぐに除外してしまい、自分では気づけない可能性を見落とし続けてしまう。
「直接、人と話しながら探したい」——谷川さんがそう感じたのは、ごく自然な流れだったと思います。

谷川さんが次の仕事に求めるたった一つの軸
転職に何を求めるか聞いてみると、谷川さんの答えはシンプルでした。
「安定した生活が送れれば十分。上を目指したいとかは、今はない。」
大きなキャリアアップや年収の大幅アップへの欲は持っていない。
それよりも「穏やかに、長く続けられる職場を見つけたい」というのが、谷川さんの正直な気持ちです。
また、自分の特性について谷川さんはこう話しました。
「急なことにはパニックになりやすいけど、その分、悪いことを先に考えてから動くので、ミスの予防には役立っている。」
突発的な対応を求められる職場よりも、業務の流れが整っていて役割が明確な環境の方が力を発揮しやすい。
自分の特性をよく理解したうえで、職場選びをしようとしていることが伝わってきました。
実際に提案された求人——就職活動のリアルな状況
転職エージェントと面談を行った谷川さんには、複数の求人が提案されています。
1社目は、清掃・ビルメンテナンス系の会社。
資格不要で未経験から始められるポジションで、一人で作業を進める時間が多く、自分のペースで働きやすい環境です。
「人間関係の消耗を減らしたい」という谷川さんのニーズに合っていると判断されました。
2社目は、物流・倉庫系の会社。
ピッキングや仕分けといった業務内容で、工場勤務の経験が活かしやすい職種です。
正社員登用実績のある会社で、スーパーでの品出し経験も評価されやすいと見られています。
3社目は、セキュリティ・警備系の大手会社。
施設常駐型のポジションで、単独業務が中心。
体を動かすことが好きな谷川さんに向いており、落ち着いた環境でコツコツ働けることが提案の理由でした。
4社目は、製造系の会社(技術スタッフ・正社員)。
これまでの工場・ライン作業の経験を直接活かせる職種で、期間工ではなく正社員としての採用が前提です。
エージェントからは「即戦力として評価されやすい」との見立てがありました。
5社目は、軽作業系の会社(検品・梱包)。
体力よりも正確さと集中力が求められる仕事で、精密部品の組み立て経験が活かしやすいとされています。
一人で黙々と作業を進める時間が多く、谷川さんに向いた環境のひとつです。
どの求人にも共通しているのは、「資格なしでも挑戦できる」「個人作業が中心で落ち着いて働ける」という軸です。
「自分では絶対にこういう視点で探せなかった」と谷川さんは話します。
エージェントを通じて、はじめて見えてきた選択肢がありました。

話を聞いてわかった、谷川さんの等身大の強み
「資格もないし、自信もないし…」と控えめな谷川さんですが、話を深掘りしていくと、面接で十分に語れる素材がいくつも出てきます。
目標を決めたら、改善しながらやり抜ける
ライン上で「1番速い作業員を目指す」という目標を自分で立て、試行錯誤を繰り返しながら実行してきた。
野球で長年積み上げた「改善して上達する」という習慣が、仕事の現場でも自然と出ていた証拠です。
製造・検品・軽作業系はもちろん、業種を問わずどこでも通用する姿勢です。
精度の高い作業への集中力
クリーンルームでの精密部品の組み立てを4年間担当してきた経験は、細かい作業への適性と正確さを証明しています。
「品質を落とさず、丁寧にやり続ける」という力は、検品・品質管理・製造系の職場で即戦力として評価されます。
リスクを先読みして動く慎重さ
「悪いことを先に考えてから行動する」という自己分析は、面接でそのまま使えるエピソードです。
楽観的な人が見落としがちな問題を事前に察知して動く——製造・事務・管理系の仕事で実際に求められる能力と重なります。
短所に見えて、実は職場で重宝される特性のひとつです。
この体験談が教えてくれること
谷川さんの話には、フリーターや離職経験者が正社員を目指すうえで参考になる視点がいくつかあります。
「なぜ辞めたか」を整理すると、次の職場選びの軸が見えてくる
残業の増加、急な休日出勤、職場の人間関係——谷川さんが前の職場で経験してきた「しんどかったこと」は、裏返せばそのまま「次の職場に求める条件」になります。
やりたいことがまだ見えていなくても、「繰り返したくない状況を明確にする」ことが、転職活動の出発点になります。
「長く続けたい」という動機は、採用側にとって本当に魅力的
「上を目指したいわけじゃない、安定して長く働きたい」という気持ちは、採用担当者の視点では「定着してくれる人材」として映ります。
短期間で辞めるリスクよりも、着実に長く働いてくれる人材を求めている会社は、実はとても多い。
谷川さんのシンプルな動機は、そういう会社にとって明確な採用理由になります。
一人で探し続けることに限界を感じたら、話せる場所に出てみる
「ハローワークで探しているが、興味が持てる求人がない」という状態が続いているとき、その原因が求人の量ではなく「探し方」にあるケースは少なくありません。
エージェントを通じると、一人では気づかなかった業種・職種の可能性が広がります。話すことで自分の希望が整理されることもある。谷川さん自身がそれを経験しています。

まとめ
職場環境が原因で体調を崩し、療養しながら生活してきた谷川さん。
それでも「資格がなくても挑戦できるなら動いてみたい」という言葉には、折れながらも前を向こうとするリアルな力がありました。
しんどい経験をしたからこそ、「自分に合わない環境」がはっきりわかっている。
それは、次の職場選びでは間違いなく武器になります。
25歳は、何度でもやり直せる年齢です。
「動けるかどうかわからない」という状態からでも、一歩踏み出せる。
谷川さんの話が、同じ場所に立っている誰かの背中をそっと押せたなら嬉しいです。
